こんにちは!
ばむじーんです。
私の子供のうち1人が、両耳が先天性の混合性難聴です。
両耳の補聴器も持っています(やっとローンが終わりました(´;ω;`))
実は生まれてから小学校2年生まで、難聴だとは気づきませんでした。
気づかなかった理由について、今回は書こうと思います。
うちの子供の場合は、テストを受ける時やテレビを見る時に補聴器をつけることがほとんどで、常につけないと困るほど聞こえないというわけではありません。
しかし、4月から自転車通学になるので、登下校にも補聴器をつけるように話はしているところです。
もくじ
新生児聴覚スクリーニング検査でひっかかりました
自動耳音響反射検査で反応なし
産婦人科医院で生まれてから退院するまでの間に、自動耳音響放射という検査を受けて、「反応がない」と言われて、1ヶ月検診の時に再度同じ検査をしても結果が変わりませんでした。
専門家ではないので詳しくはお伝え出来ないのですが、簡単に言うと手のひらにすっぽり収まるような小さな機械を耳に当てて音を出します。
その音に反応した内耳から反射された音があるかないかを検査するという内容です。
それが両耳で反応なしだったということになります。
「産婦人科での検査は簡易的なものなので、専門外来で精密検査を受けて下さい」と言われ、大きな総合病院の耳鼻咽喉科を紹介されました。
自動聴性脳幹反応検査では異常なし!
自動聴性脳幹反応検査は、小さな音をヘッドフォンから流し、脳の電気反応を皮膚から読み取る検査です。
今はどうかわかりませんが、生後1カ月ほどのふにゃふにゃ赤ちゃんが「完全に眠っている状態」でないと検査ができないので、検査時間から逆算して、お腹が空いて泣いていてもそのまま少し泣かせて体力を消耗させて、ミルクでお腹いっぱいになって眠ったタイミングで、検査技師を呼んで、専用の検査室へ連れていきました。
ベッドで眠る子は、顔と同じくらいの大きさのヘッドフォンをそっとかけられ、おでこや首に電極を計るパッドを貼られていました。
結果は、両耳異常なし。
なぜ、産婦人科では反応がなかったのかという理由については、当時の推測では、
- 耳の中の構造が、普通の人は大概内耳までの耳の中の道は直線的なのに対し、我が子はカーブしているため、音が内耳まで届かなかったのではないか
- 新生児室や診察室の機械音や雑音などが影響したのではないか
というものでした。
ただ、これはあくまで推測です。
ここでもし聞こえていないとなれば、成長と共に言語訓練も視野に入れた子育てをすることになると言われていました。
それならば、私はこの子が言葉が分かるようになる前に手話を覚えて、口と手の両方でコミュニケーションが取れるようにしておこうと、覚悟を決めていました。
夫はただおろおろするばかりで、病院に検査へ行く前も、信号が赤になっているのも気が付かないほど。私のこの割り切りがおかしいとも言ってきました。
でも結果、「脳レベルで異常なしなのだから聞こえている」となり、私も気が抜けて一安心しました。
3歳児健診の問診票のチェックリストに疑問点あり
その後は特にあれ?と思うことなく、2つ上の姉ともおしゃべりをしてコミュニケーションが取れていました。
ところが3歳健診の時、問診票の質問に、
「子どもの真後ろから、小さな声で名前を呼んで反応がありますか?」
という内容があったのですが、(どのくらい離れなくてはいけなかったのは覚えていません)これに反応が無いのです。
声色を高めに変えたりすれば、振り向いたり「はーい」とお返事をしてくれたりするのですが、低いひそひそ声には反応なし。
このことを、健診担当の保健師さんに相談したら、
「子どもとはそういうもの。神経質になりすぎ」
というような回答をいただいたので、割り切りました。
実際、上の子も4歳くらいの時、「目の上にいつも黒いものがいる」と言って目を気にしていたので、眼科に連れていったことがありました。
そしたら眼科医に、
「神経が今過敏になっている時期で、自分のまつげのせいで瞬きすることで一瞬黒くなるのが気になるだけ。お母さんが、心配して目のことを過剰に聞いてしまうと余計気にするから、違うことに目を向けるような遊びなどを積極的に一緒にしてみて下さい」
と言われて、薬の処方もなかったことがありました。
だから、下の子の耳に関しても、新生児の検査で引っかかった記憶があるから、私が意識しすぎているだけなんだと思いました。
しかし、数年後。
「声色を変えれば反応がある」という判断は、補聴器を実際作るようになってから、間違っていないということが分かりました。我が子の耳は、ぼそぼそした低い声はほとんど聞こえず、高い声の人は小さい声でも聞こえているという検査結果が出たからです。
小学1年生までの聴覚検査で異常がなかった理由
健診の時に、保健師さんが言った「子どもとはそういうもの」という意味は、
- 大人ではないので、毎日気まぐれ。名前を呼ばれて返事をしたくないなと思ったら返事はしないし、別なことに集中していれば、周りの音なんて聞こえないことはしょっちゅうある
ということだと思います。
この「子どもとはそういうもの」という先入観を、幼稚園の先生や学校の保健師さんも持っていると、うちの子供のような難聴者を見落とすことにもなりかねません。
とはいえ、やっぱり子供の聴覚検査の進め方自体が簡易的でおおざっぱなのも原因なので、先生方のせいだけではありません。
我が子は、幼稚園に入学してから小学1年生までの聴覚検査で両耳ともに異常なしでした。
その理由は・・・・・我が子の判断能力が聴覚検査で発揮されたからです。
10年くらい前の幼稚園や小学校の聴覚検査は、市町村で管理している機械を順番に借りて、幼稚園の先生や学校の保健師さんが検査を行うか、市町村の保健師さんが幼稚園や学校に訪れて検査を行う場合が多かったと思います。
特に子供が通った幼稚園は、当時、お友達が聴覚検査をしている姿を静かにしてじっと見て順番を待つという状態でした。
我が子は、自分の順番になった時、音が聞こえなかったから正直にボタンを押さなかったそう。
でも先生は、
「何しているの?聞こえたらボタンを押すんだよ。先生のお話聞いてなかったのかな?」
と、普段の会話が成り立つから機械から流れている音も当然聞こえているという思い込みで、注意してきたそうです。
だから、我が子は、これまで自分より先に検査をしてきたお友達の手元をじっと見ていたので、「このへんのタイミングでボタンを押せば、聞こえたことになるんだな」と判断したというのです。
先生に怒られたくないという気持ちでとっさに思いついた作戦が、なんと小学1年生の聴覚検査まで成功していたことになります。
一番かわいそうだったのは、町の小さな耳鼻科医院の院長先生
ではなぜ、小学2年生の聴覚検査でひっかかったのか。
それも子どもの好奇心と自己判断によるものでした。
「本当に聞こえるということは、どういうことなのか?」を知りたかったそうです。
学校から要精検というおたよりをいただき、まずは小さな耳鼻咽喉科医院へ行きました。(大きな総合病院は、まずは町医者からの紹介状がないと診察して頂けないのです)
院長先生には、丁寧に何度も検査をしていただきました。
会話が成り立つのに、防音室の検査機器の音に反応が無いということで、これまでこのようなケースは診察したことが無いと言って、首をかしげていました。
何度か診ていただきましたが、ギブアップということでその後、大きな総合病院へ。
ここで、さまざまな検査をたくさんして、両耳の混合性難聴とやっと診断されました。
耳鼻科医のスペシャリストと言われる先生にも、カルテやCTの画像などを見ていただきましたが、はっきりした原因は分かりませんでした。
大人の耳でもそうですが、仮に切開手術をしたところで音が内耳に伝わらない原因が分かるというわけではなく、逆に手術が聴力低下につながることもあるので、補聴器を使ったりして上手に生きていくしかないそうです。
でも、一つだけ言えることは、我が子の場合全く聞こえないわけではないので、どこか耳の組織の一部が欠損しているわけではなくて、配列の異常とか、機能力がもともと低い組織があるのではないかということでした。
「なぜこれまでの聴覚検査をパスしてこれたのか?」という母の疑問に対して、病院の待合室で、我が子がこれまでの作戦を全て話してくれました。
いやー。
笑うしかなかったです。そして、つい褒めてしまいました。
幼稚園の年中さんの時にとっさに思いついた作戦に、大人たちは振り回されましたね。
一番かわいそうなのは、町の耳鼻咽喉科医院の院長先生だったと思います。(風の噂によると、院長先生は数年前に亡くなってしまったようです)
子育て真っ最中のママへ
我が子の場合、8年もかからずに早期発見できていたとしても、何も改善できることはありませんでした。耳も大人になるにつれて成長していますから、経過観察して聴力が低下していないかを、定期的に観察するしかありません。
ただ、一つだけ振り返って後悔しているのは、「子どもとはそういうもの」と保健師さんに言われて、「私が考えすぎなんだ」と思ってしまった事です。
これは、子育て本に頼りすぎたり、他人の考えに流されがちなママさんにも言いたいのですが、
「あなたの子どもは、あなたの子どもでしかないので、本や他人の考えに無理やり我が子を当てはめようとしない」
ということです。
同じような子育てママとSNSで交流したり、育児サークルに参加したりするのもとてもいいことだと思います。
でも、同じような悩みを持つママに出会ったとしても、「同じ」ではない。
その同じではないちょっとした違いや異変は、ママにしかわからないことです。
それを、無理やり同じにしようとするから「うちの子は周りの子と違う」とか「思うように子育てができない」と思ってしまい、ノイローゼになってしまうのも原因ではないかと思います。
また、子どもの様子がおかしいと思ったから病院に連れてきたのに、「こんなことくらいで病院にきたの?」というような冷たい言葉を放つ先生や看護師さんもまたまだ多く、そんな経験が余計子育ての不安を増してしまう原因にもなっていたりしますよね。
でも、どうか子どもの様子を見て、「なんかおかしい」と思った自分をほめてください。
そして、何を言われようが病院へ迷わず連れていってください。
何にも間違っていません。
小さな異変がもし、今後の成長や、命の危険にかかわるようなサインだったらどうしますか?
悔やんでも悔やみきれませんよ。
最後に
「聞こえているけど聞こえない」という微妙なライン上を生きている我が子。
耳が聞こえないことでいじめられたりしたことはありませんが、苦労もあります。
逆に、耳が聞こえないことが生かされて、アスリートとして活躍できている部分もあります。(しかし、我が子は身体障がい者には当てはまりません。これも矛盾点があるのです)
今後はこんなことも、ちょくちょくお伝えしていこうかなと思います。
では、今日はこのへんで。
以上 ばむじーんでした。