こんにちは!
ばむじーんです。
前回、こんな記事を書きました

今回は、高校へ入学してから経験したことや感じたことをまとめてみました。
現在、私立高校へスポーツ特待生としての受験を考えている方は、是非前回の記事もセットで読んでいただいて高校進学についてあらためて話し合ってみて下さい。
もくじ
「寮」ではないので、本人の自己管理力が今後の高校生活を左右する
学校が管理していたり学校の敷地内にある「寮」とは違い、うちの娘の場合は学校とは無関係の民間の建物の一部を間借りして生活しているので「下宿」です。
朝晩の食事は、共用スペースでいただきます。
お昼や土日の食事は出ませんし調理スペースはありませんので、外食やコンビニ食、学校のある日は購買の商品に頼らざるを得ませんが、私はアスリートフードマイスター3級を持っていますので、食事を摂る際のメニューの選び方などはよく連絡して伝えています。
とれたて野菜だとか余計な物が入っていない食材を選んだ生活をしなさいと言っても、余計なストレスがかかるだけなのでその場その場で柔軟に対応できるように伝えています。
下宿生活で救われていることは、21時くらいまで営業している大型スーパーが目の前にあることと開業医院が複数近くにあること。
同じ地域にある別の高校でも下宿や学生アパートに住んでいる生徒たちがいますが、その子たちが住んでいる立地よりも格別に良い場所にあります。
料理をすること以外は自己管理なので、こういった立地に恵まれるということで歴代の先輩方も生活の維持と勉強とスポーツが両立できたのかなと思います。
下宿生活については下記の記事も参考にしてみて下さい。

- 寮や下宿に入って生活をしながら私立高校を検討している場合は、必ず親子で見学させてもらい、環境を確認すること。(できれば、オープンスクールのような事前準備された日ではなく、練習が終わって帰宅した後の様子などが分かる日に様子を見せてもらった方が良い)
- 実家暮らしの高校生よりも、1人暮らしの高校生の方がATMを使う回数が多くなります。今の段階でお小遣いを手渡ししているご家庭では、できるだけ早くATMの利用の仕方やPAY払いの仕組みを説明しておいた方がいいです。
ただし、レギュラーメンバーから外されると・・・
うちの上の子は中学校3年間は主力メンバーとして団体戦にフル出場していましたが、高校入学後は実力的に他の生徒と比べて劣っていたので、大きな試合では団体戦にはほとんど出たことがありません。
団体戦では使えないヤツとも言われていました。
ただし「マネージャー力が高い補欠」としてベンチに入っていました。たくさんの飲み物が入ったクーラーバッグを青あざ作りながら運んだり、タオルを選手に渡したりという姿だけを私は見に行っていました。
そんな娘の姿を見て、
「わざわざ親元を離れてまで高校へ行ったのに、クーラーバッグ持ちをさせられるなんて、意味ないよね。地元に残っていたら即レギュラーだったのに」
と嫌味を言う大人もいました。
選抜されたメンバーだけで出かける遠征などには連れていってもらえず、門限の無い下宿生活で羽目を外して指導されたこともあります。
下宿にいるチームメイトが全員遠征でいなくなり、娘だけぽつんと1人でご飯を食べるような日々が続いたこともありました。
試験日に寝坊をして教室に入れず、追試もしてもらえない状態にもなりました。
高校受験をすると決めた時に決めた約束などほとんど守れません。
レギュラーとして活躍することができなくて一度目標を見失ってしまうと、一気に下落してしまうリスクが高いのは、高校生活から1人暮らしをすることの最大のデメリットだと思います。
自分の意志で家を出たなら、自分の失敗は自分で解決することを徹底させた
自分の意志で家を出て、1人で暮らすということがどれだけ大変で実家でどれだけ守られてきたかを、レギュラーになれなかったことで挫折してはじめてわかってもがき始めた娘。
遅刻した場合、娘が通う高校は離れた場所に住んでいても親に連絡が来るようになっているので、親が遅刻を知らなかったということはありません。
中学校時代は毎日叩き起こされて学校に行くことが当たり前だったけれど、今度は二度寝したって誰も起こさない。
青ざめるような「やばい」と思うような負の出来事を自ら経験して初めて、
「今のままじゃだめだ」と思ってくれるようになるのを、私達親は余計な手出しせずかばうこともせず、遠くから見守るしかありませんでした。
スポーツ特待生の入学条件が、例えば「全国大会出場経験があること」だけ表記されている場合、団体戦でエースとして活躍した人も、メンバー登録だけされて試合に出たことがない人でも出場したことには変わりありません。
実際高校に入学してみたら、エースとして活躍してきた選手ばかりで高校生活で1度もレギュラーになれなかったりすることは十分考えられます。
逆にエースとして活躍してきた選手も、入学してみたら実力が上の選手しかおらずレギュラーになれなかったということも珍しい話ではありません。
うちの娘は後者のケース。
「先輩には勝てなくても、団体戦のレギュラーにはなれるはず」と思っていたらとんでもない。
近場でも自宅を離れて学校へ通う場合でも、スポーツ特待生として入学する場合は挫折や困難にぶつかるのは当たり前で、それでも最後まで部員としての活動を全うすることが特待生として求められる最低ラインです。
だからこそ入試が楽なことを優先させたり、自分は行きたくないのに大人に強く勧められたからなどの理由で受験してはいけないのです。
進路実現は自己責任
入学希望をする高校が調理コースとかスポーツ専門コースといったように、その先の進路もその道に進んでいくことが前提のような学科で学習できるならば気にする事はないと思います。
でも、スポーツ特待生として高校に入学する場合は専門コースへの所属ができず、普通科にしか所属できないという場合も多くあります。裏を返せば、専門コースに所属したまま部活漬けの生活をしてしまうと、実習や専門知識が必要な授業をまともに受けられないということです。
こうなってしまうと、なりたい職業が高校入学前から決まっているとその職業へ着くまでの距離が遠くなってしまう場合があります。
例えば看護師さんになりたい場合、中学校を卒業したら看護学校へ進んで5年学ぶことが最短ルートだと思います。
でも、スポーツを続けたいがために普通科の私立高校へ通い高校卒業をしてから看護学校へ行く、あるいは看護系の大学へ行くという選択をした場合は、高校1年生の2学期以降から始まる選択授業で理数系の科目をとり学習しなくてはいけません。
うちの子供も、女の子ですが将来は工業系の職業へ就きたいと言っているので、必然的に選択授業は理数系を選ぶことになりました。
でもここで大切なことは、文理選択をしただけでなりたい職業へ近づいたわけではないということ。
スポーツ特待生は、今でこそコロナの影響で縮小されているとは思いますが、学校の授業を受けずに遠征や大会へ出かけることも多くあります。
すべて公欠扱いになるので、欠席ではありませんが授業を受けないことによるリスクは必ずあります。
うちの長女に限って言えば、高校1年生から3年生の引退する時までの公欠は合わせて軽く30日を越えます。長女はレギュラーになれずに大会へ参加しない時期も多くあってのこの日数ですので、エース級の選手はもっと公欠日数が多いです。
悪い意味での「塵も積もれば山となる」で、30日も授業を受けない日があるとどんなに練習がきつくて毎日疲れて帰宅しても、この分の授業の遅れを理解して取り戻さなければ、あっという間に成績は落ちていくだけです。
この部分は、自宅から通う生徒もうちの子のような下宿生でも同じことで、疲れていても努力しなくてはいけない部分です。
そして、勉強に「スポーツ特待生だから」という理由で特別配慮はないということ。
授業内容が分からなければ休み時間に先生に聞きに行くとか、お昼休みを返上して課題に取り組むとか、自らが工夫して過ごさなければ穴埋めは難しくなります。
うちの長女もただでさえ学力が低いのに、毎日疲れて提出物を期限内に出すことだけしか考えられなくなってしまうくらいの生活でしたので、赤点ギリギリの教科が複数ありました。
子供の通う高校は、赤点をとれば追試を受けて赤点を脱しない限り部活動に参加することはできないルールになっています。
こんな状態になってしまえば、ますますなりたい職業への道は遠ざかってしまうのです。
でも部活が忙しいからという理由は通用しないので、自己責任。
大学受験を考えている場合には、さらにここに受験勉強も必要になります。
「受験を考えて部活動を辞めます」とは言えないのがスポーツ特待生なのです。
「まだわからない、迷っている」それなら理系を選択すべき
スポーツ特待生で高校に入学して、さらには大学も同じようにスポーツ優先で入学をする場合、スポーツ枠があるのは圧倒的に文系の学部だそうです。
実際娘はいくつか大学からオファーをいただきましたが、所属する学部はすべて文系という条件でした。
大学は、ざっくり言ってしまうと研究をしながら講義と並行して勉強をすすめるスタイルです。そうなると、文系よりも理系の方が圧倒的に研究数が多いですよね。今はコロナで自粛していても、やがて練習や国内外の長期遠征などが再開されれば研究に参加できないことも多くなり、それが単位数不足で留年にもつながってしまうからとの事。
先ほどのスポーツ特待生で高校入学をすると、普通科にしか所属できないケースが多い理由と同じです。
でも、なりたい職業や行きたい大学の学部が決まっていない中、文理選択で「とりあえず文系」を選んでしまうと途中で理系に変更したくても変更ができないとよく言われます。文系では習わない多くのことを理系では学ぶので、その分の遅れを途中から取り戻すにはかなり難しいというわけです。
文理選択をしても、3年生になってからは新しい単元を勉強する時間はごくわずか。あとは受験対策に時間をかけるのでのんびりしている時間はありません。
また、今の世の中は就職に強いのは圧倒的に理系とも言われています。
進学校では特に文系を選択した男子には、就職のことを考えて理系へ変更するように強く勧めることもあるそうです。
将来なりたい職業も決まってもいないし、文系か理系かすらも決められない場合は、とりあえず始めは理系を選択して学習するつもりでいましょう。ただし、文系より宿題が多めですので、部活動と勉強を両立させるにはより一層の努力が必要です。
自分が思った通りの進路に進めないこともある
部活の顧問の先生が、進学先を勝手に決める場合もある
言い換えると、「生徒や保護者が先生のパワハラに負ける」ということです。
これは、高校をスポーツ特待生で入学した場合のデメリットでブラックな部分です。
本来であれば、部活動に所属しながら文武両道な高校生活を全うするというだけのことですが、前回の「高校受験編」でも記載した通り、指導者の名誉や面子を保つために生徒が生贄になるような事態が大学進学の際も起こる可能性があります。
「本当は違う大学に行きたかったのに、先生が許してくれなかった」
と部外者に漏らす生徒もいます。
逆に、
「先生と喧嘩して、先生に勝ったから好きな進学先を選べるようになった」
という生徒もいるのです。
こういう話を事前に入手できる立場に私や娘がいたから、このようなことが起こる高校にオファーされてもすぐ断ることができました。
実際、娘が所属する部活の先生はこんな強制はしません。
でも「選手としてあの子が欲しい」と大学側から言われたら、先生も自分が育てた生徒に目をつけてくれたことはうれしくないわけがないのです。
なので、この大学に進学してほしいという気持ちを全面的に出して、生徒に全力で話を持ち掛けてきます。
先生のお願いに根負けして、希望する大学ではなく先生が望む大学へ進学してものすごく後悔をしていると愚痴をこぼす人もいました。
高校受験編でも書きましたが、受験するのは先生ではないし先生の人生でもありません。
断る強さと、流されない強い気持ちが必要です。
2020年度は大学側も受験生も大変な時期
大学でもスポーツを続けたい高校生にとって、2020年度はかなり大変な年になりました。コロナウイルスの影響でインターハイや甲子園が開催されない為、スカウトマンに存分にアピールできないからです。
競技種目によっては高校2年生での成績や様子を見てオファーをしてきますので、アピールするチャンスが無くなってしまったということになります。
またネットニュースにも掲載されていましたが、コロナウイルスの影響で親が勤めている会社の経営が悪化して、大学を休学や退学する生徒、大学進学を断念する生徒が増えています。
さらに大学受験事情としては、コロナ感染者の少ない地方の大学を希望する人も増えるので例年の倍率とは違ったデータになるのではないかということです。
しかも、今年の受験生から入試制度が変わるのもあり高校3年生は混乱しています。
娘の通う学校としては、次のような影響が出ました
- 指定校推薦枠がなくなってしまった大学が数校ある
- 指定校推薦枠は例年と変わらずあるが、評定や条件が厳しくなった
- コロナの影響で出張進学相談会や学校行事として予定していた大学見学ツアーが中止になった
- コロナの影響で、県内の合同進学説明会に首都圏から参加する大学はほぼ0
またこれも踏まえて娘の場合は、個人的な事情も加えると次のような問題が出ています
- 指定校推薦枠の条件が厳しくなったので、希望する工学部のある大学は評定が足りない
- 理系を選択したが、さらに工業系に必要な勉強は特別進学コースで学ぶ科目が必要
- 大会や遠征を優先してきたので、英検やTOEICなど選抜入試に必要な条件がクリアできない
- コロナの影響で、オープンキャンパスが無くなった大学が多いので雰囲気が分からない
コロナのことがなければ娘はこのような問題で悩んでいる暇はなく、インターハイ出場に向けて猛練習をしていたのでまた違った道を選んでいたと思います。
これらもスポーツが存分にできなくなったがために見えてきた、高校をスポーツ特待生で入学した際のデメリットです。
「指定校推薦=ほぼ合格」という神話が崩れる
あとは、2020年度から「選抜」という言葉を使う大学が増えました。
例えば「指定校特別推薦枠入試」ではなくて「指定校特別推薦枠選抜入試」と言葉を変えた学校があるとします。
どちらも同じような印象を受けますが、「選抜」は字のごとく選び抜くことです。
「学校から推薦された人間かもしれないけど、大学にふさわしい人間かどうかを試験でふるいにかけるから不合格もあり得るからね」
という意味になってしまうのです。
これまでは、一定の条件を満たしていていれば指定校推薦入試で受験した生徒が不合格になる事はほとんどありませんでした。
ところが2020年度の大学入試制度が変わるのと同時に、大学側も学力格差をなくすためにこれまでの入試方法を変更している大学がとても多くなりました。
「学校推薦枠で受験したのに不合格になった」という生徒が今年度から出てくるということになります。
実際、とある予備校のyoutubeチャンネルでは、「学校推薦で受験したのに不合格になってしまいました。僕はこれからどうしたらよいのでしょうか?」といった悩み対して回答している動画もありました。
なので、これまでの大学入試についての考え方のままでいるのは大変危険です。
部活顧問の先生が思っていることと、実際受験しようとした大学の入試状況がかなり違うというケースも考えられるで、学校任せにせず行きたい大学へ合格するために必要な情報は自分で入手して行動しなくてはいけません。
卒業後の進路まで、高校受験前の段階で決まっていますか?
将来なりたい職業までも決まっているなら、スポーツ特待生として高校入学願書を出す前に、なりたい職業になる為にはどういうスキルが必要なのか簡単に調べておくといいと思います。
必ず大学進学しなければ取得できないスキルや資格が必要なら、入学後の文理選択も迷うことはないと思います。
また、スポーツ特待生で受験しようとしていた高校が将来の方向性と違うのであれば、受験先を変更することも検討した方がいいです。
先ほどもお伝えしましたが、「入学したら担任の先生や部活の先生が何とかしてくれる」
と思うのは間違いです。
大学受験の際、高校をスポーツ特待生で入学してきたことがプラスになる場合はごくわずか。
大学入試制度が本格的に変わっても、この部分がものすごく有利になる事はありません。
あくまで学業面での学校の成績と受験の点数が基準になります。
なので、スポーツ特待生としての高校入試は楽でも大学進学を考えるとリスキーな選択なのです。
最後に
高校入学時に思い描いていたような学校生活が送れることはほとんどありません。うちの子がまさにそうです。
自分の実力が通用しないという壁にぶつかっただけではなく、コロナで出場するはずだった試合がすべてなくなりました。
このことがきっかけで我が子の人生が予定とは大きく変わり始めました。
スポーツ特待生として高校へ入学しても、途中でけがや病気をして部活動が続けられなくなる場合も十分に考えられます。
このような「まさか」と思うような出来事で人生が変わってしまうことは誰にでも起こりうることです。
また、全国大会に出場が決定して会場にいるのに、団体競技では選手の1人が発熱したために試合を棄権せざるを得ないという事態も起こっています。
スポーツを高校で続けるために特待生として私立高校を受験したとしても、これまでのようにはいかないことを頭に置いて今後のことを検討してみて下さいね。
以上 ばむじーんでした。